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RITSUMEIKAN UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB

立命館大学
体育会ラグビー部

ラストイヤーにかける想い-田村康介-

2026/09/02

私の大学ラグビーは、想像していた以上に充実した時間でした。

本当に多くの人と出会い、多くの経験をさせてもらい、私のラグビー人生の中でも、最も濃い4年間になりました。

そんな4年間のラストイヤーとしている今、私がどんな想いでこのチームと向き合ってきたのか。そして、ラストイヤーに懸ける想いを書きたいと思います。

 

私は高校時代、全国大会出場が当たり前、勝つことが当たり前の強豪校でラグビーをしていました。公式戦はもちろん、練習試合であっても負ければ何が起こるかわからない。そんな環境でした。

当たり前のように「勝つこと」しか考えていなかったですし、「どうやって勝つか」を考えること以上に、「自分たちが積み重ねてきた準備を、試合でどれだけ遂行できるか」にこだわる。そこができていなければ、厳しく指導される。

それが、私の過ごした高校時代でした。

そんな環境でラグビーをしていると、高校名を伝えるだけで「すごいね」と評価してもらえることが多くありました。

でも、今振り返ってみると、その評価に自分自身が本当に値するだけのことをしていたのかと問われれば、素直に「はい」とは言えません。

私はそれまでの先輩方が築き上げてきた看板に満足していたのかもしれません。その看板を自分がさらに「磨く」というよりも、「汚さないようにする」ことに意識を向けて、高校時代を過ごしていたように思います。

もちろん、先輩方が築き上げてきた看板を背負い、それを汚さないことは、部員として当然のことであり、一つの責任です。

でも、「その看板を自分は磨いたのか」と問われたら、そうではありません。

評価されればされるほど、悔しかったし、何より自分自身が情けなく感じました。

だからこそ、大学では同じことを繰り返したくありませんでした。

自分の役割を明確にして、自分だからこそできる形でチームに貢献したい。

そして、先輩方が築いてきた「立命館大学体育会ラグビー部」という看板を、ただ背負うだけではなく、自分自身もその看板を磨き上げる存在になりたい。

そう考えたとき、選手としてプレーすること以上に、マネージャーとしてチームの勝利に貢献することに強く惹かれるようになり、マネージャーという立場を選びました。

自分がチームに最も貢献できる場所を選んだ。それが、私が大学でマネージャーとして入部した理由です。

マネージャーとして、自分の役割は何なのか。

それを考えた中で、一つの形として取り組んだのが、「BKCGF人工芝再資源化プロジェクト」でした。

「ラグビー部の価値をもっと高めたい。」そんな思いから、「人工芝で何かできないか」と考え始めたことが、このプロジェクトのきっかけでした。

大学から予算の承認を得ることが一番の難関で、立命館大学に限らず、色々な方に相談しながら、試行錯誤を繰り返しました。

自分の思い通りに進まなかったこともあり、最後には少しごたついてしまった部分もありました。

それでも、このプロジェクトを通して本当に多くの方と関わることができ、ラグビー部が多くの人に応援されていることに気づくことができました。

何より、最初はただの自分のアイデアだったものを、小寺さん、安川さんにプレゼンした際に、「やってみよう」と背中を押していただき、そこから大学関係者の方々へとつないでいただきました。本当に感謝しています。

このプロジェクトを通じて、少しでも「立命館大学体育会ラグビー部」という看板を輝かせることができていたなら、これ以上嬉しいことはありません。

 

選手とマネージャー。立場は大きく異なります。しかし、どちらの立場も経験したからこそ分かる、自分なりの共通点があります。

それは、「試合に勝てば心の底から嬉しく、負ければ死ぬほど悔しい」ということです。

その気持ちに、立場は関係ありません。だから私は、入部してからずっと「学生スタッフ」という言葉に少し違和感を抱いていました。

どこか「サポートする側」という印象があるからです。

でも、少なくとも私は、チームを「サポート」するために入部したわけではありません。

チームの価値を磨き上げ、勝って選手権に行きたい。そのために、自分はマネージャーという立場から勝利に貢献する。

その想いで4年間やってきました。私たち学生スタッフは、お世話係でも、選手の親でもありません。

グラウンドには立たなくても、紛れもなく勝利のために戦うチームの一員です。だから私は、選手と学生スタッフを分けて考えたくありません。立場は違っても、目指す場所は同じです。

そんな想いを持ち続ける中で、今年、主務を任せていただくことになりました。

3回生までの私にとって、歴代の主務は「とにかく忙しい人」というイメージでした。オフの日でも誰かと連絡を取り、四六時中スマホやパソコンとにらめっこ。周囲から聞こえてくる話も、忙しさを物語るエピソードばかりでした。

一方で、主務は単に忙しいだけの役割ではありません。マネジメントの中核を担い、コーチ陣と学生をつなぐ橋渡し役として、チーム全体が円滑に機能するようにする責任ある立場です。

だからこそ、任せてもらった責任を形で返したいと思いました。

そして何より、「忙しいだけの主務」で終わるのはなんか悔しい。

どうせ忙しいなら、その忙しさも責任も楽しんでやろう。チームのために価値を生み出せる主務になろう。

そんな少し変な覚悟を持って、私の主務生活はスタートしました。

私の主務としての原動力は、なかばさんをはじめとするコーチ陣、部長、副部長、OB会、保護者会の皆様など、本当に多くの方々が、自分の時間を使い、時には犠牲にしながら、このチームのために尽力してくださっている姿でした。

そのことを、主務になってから今まで以上に実感しています。

春シーズンは思うような結果が出ず、苦しい時期が続きました。

試合後、コーチ室へ行くと、必ずと言っていいほど、なかばさんとだいちが残っています。

負けた試合を振り返り、「何が悪かったのか」「どうすれば勝てるのか」を話しています。

オフの日も関係ありません。

グループLINEは動き続け、選手に少しでも良い環境をつくるために話し合いが続いています。

一見すると当たり前の光景かもしれません。

でも、一歩引いて見たときに、私はすごく不思議な光景だと感じました。

試合に出ているわけではない。それでも、自分のことのように負けを悔しがる。

負けた日はストレスが溜まって、コーチ室のお菓子をむしゃくしゃ食べながら、それでも「次はどうすれば勝てるのか」と考え続けている。

勝った日ですら、「今日の課題は何だったか」と次に向けて頭を悩ませている。

その姿を何度も見てきました。

もちろん、私も負ければ悔しいし、イライラすることもあります。

でも、それ以上に悔しがり、このチームのために時間も労力も使ってくださっている方々がいる。

そう考えると、自分が感情に流されることは、その人たちに失礼なのではないかと思うようになりました。

だから私は、主務になってから、どんな状況でもできるだけ感情に流されず、冷静に、毅然とした態度でチームと向き合うことを意識してきました。

そして、その方々の想いや考えを絶対に無駄にしたくない。それが、今年の私の行動の軸でした。

だからこそ、コーチ陣や幹部から出てきたアイデアは、できる限り形にすることにこだわりました。

どれだけハードルが高くても、「無理です」で終わらせたくありませんでした。どうすれば実現できるのかを考え、それを形にする。

それこそが、自分の役割だと思っていました。

 

そして現時点で主務という立場を楽しめているのは、決して私一人の力ではありません。

マネージャーのみんながいてくれたからです。

私が入部した時は7人だったマネージャーも、今では10人になりました。

3回生までは、「ボックスに入りづらい」「マネージャーに話しかけづらい」と言われることもありました。

だからこそ、少しでもそんな雰囲気を変えたいと思っていました。

その結果かどうかは分かりませんが、今ではだいちをはじめ、多くの選手が気軽にボックスへ来てくれるようになりました。

そして何より、ボックスに行けば、しょうもないことで笑い合って、気さくに話しかけてくれるマネージャーがいる。そんな何気ない時間に、私は何度も救われました。

主務という立場を「大変」ではなく「楽しい」と思えたのは、そんな明るいマネージャーがいてくれたからです。本当にありがとう。

マネージャー、そして主務として過ごした3年半で、私はラグビーという競技を違う角度から見ることができました。

試合を1試合成立させるために、どれだけ多くの人が関わっているのか。
グラウンドに立つ選手だけでは、試合をすることすらできません。

昨年と今年、関西大学ラグビーAリーグの主務会議で、関西協会の方から言われた言葉があります。

「Aリーグは、平日はそれぞれ仕事をしている方々が、土日にボランティアとして大学生のために大会運営をしている。だからこそ大学生には、Aリーグに関わる全ての人への感謝と敬意を持って大会に臨んでほしい。」

私はこの言葉が今でも強く心に残っています。試合に出ることは、決して当たり前ではありません。
多くの方々の支えと尽力があるからこそ、私たちはAリーグという舞台でラグビーをすることができます。

だからこそ、Aリーグの舞台に立つ選手には、当たり前のようにそこに立つのではなく、関わってくださるすべての方々への感謝と敬意を持って戦ってほしいと思います。

そして、これはAリーグに限った話ではありません。

このチームに所属していることも、決して当たり前ではありません。

4年間という時間を、この130人を超える仲間と過ごせることも、立命館大学体育会ラグビー部という歴史ある組織の一員として活動できることも、先輩方が築き上げてきたものがあるからこそです。

そんな大学生活を過ごしたからこそ、最後に後輩に伝えておきたいことがあります。

今、自分が所属している組織の看板を背負い、その看板を汚さないように過ごすことは、決して難しいことではありません。

その組織が大きく、歴史があり、周囲から高く評価されているのであれば、なおさらです。

自分が何か大きなことをしなくても、これまで積み重ねられてきた実績や周囲からの信頼が、自分を守ってくれます。

もし今年、「選手権」という目標を達成することができれば、「立命館大学体育会ラグビー部の一員」として、多くの人から「すごいね」と評価してもらえるかもしれません。

もちろん、それは嬉しいことです。

でも、私は高校時代にそれを経験して、心の底から100%喜ぶことができませんでした。

時間が経つにつれて、評価されればされるほど、「自分はこの組織に所属していただけだったんじゃないか」という後悔に変わっていきました。

だからこそ、この4年間を、ただ「楽しかった」で終わらせてほしくありません。

引退するときに、「自分はこのチームのために何かを残した」と胸を張って言える4年間にしてほしいと思っています。

そのために、自分がこの組織にとって何ができるのか。自分の役割は何なのか。

一度、真剣に考えてみてください。

そして、自分にしかできないことを見つけて、実行してください。

もちろん、やったことがすべて成功するわけではありません。失敗することもあると思います。

でも、失敗したとしても本気でチームのために行動した経験は、必ず最後には良い思い出になると思っています。

何もしなかったことは、時間が経っても「思い出」にはなりにくい。きっと、いつか「後悔」として残ります。

でも、挑戦して、失敗して、悩んで、仲間と笑って、時には怒られた経験は、必ず自分の中に残ります。

「みんながやっているから自分もやる」ではなく、「自分はこのチームのために何ができるのか」を一人ひとりが考えてほしい。

選手でも、学生スタッフでも、学年も関係ありません。

全員が「立命館大学体育会ラグビー部」をつくっている一人です。

だからこそ、先輩方から受け継いだ看板を、ただ汚さないように守るのではなく、自分たちの代でさらに大きく、さらに誇れる看板にして、次の世代に渡してください。

それが、3年半このチームで過ごした私が、後輩に一番伝えたいことです。

 

最後に今年のスローガンは、「やったる ~勝つべくして勝つ~」です。

私は、この言葉は単に「強いチームになる」という意味ではないと思っています。グラウンドの中だけでなく、グラウンドの外でも、人としてやるべきことをやる。

関わるすべての人への感謝を忘れない。そして、多くの人と感動を共鳴できるチームになる。

それが、本当の意味で「勝つべくして勝つ」チームだと思っています。選手も学生スタッフも関係ありません。

私自身、ラストイヤーを迎えた今、このチームに残せるものは何なのかを最後まで考え続けたいと思います。

そして、後輩たちに少しでも誇れる形で、この看板を渡したい。それが、私がこの3年半、マネージャーとして、そして主務としてやってきたことの意味だと思っています。

最後の最後まで、「やったる」を体現します。そして、勝つべくして勝つ。このチームで、最後に最高の景色を見たいと思います。

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