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RITSUMEIKAN UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB

立命館大学
体育会ラグビー部

「雑草魂」佐藤大真

2020/09/30

「大真には主務を任せられない」

私はこの言葉が今でも胸に残っています。

私はラグビー部に選手として入部し、今は選手とマネージャーを兼任しています。

北海道の附属校から大学に入学し、さらに高いレベルで自分がどこまでできるのか試してみたいという思いで入部しました。

選手としての日々を過ごして1年ほど経った頃、2回生の5月に、当時の主務である福田さんから

「君たちの学年から男性マネージャーを1人出してほしい。」

そう告げられて、私たちは誰をマネージャーとして出すかを話し合いました。

その時、私は選手を辞めてマネージャーになるのは嫌だと思っていましたが、福田さんがその後に、「選手との兼任でも可能だから、やってくれないか」と言いました。

私は、選手としてラグビーを続けたい一方で、このままではチームに何も貢献できず4年間を終えてしまうのではないか、という不安を持っていました。

また、未熟な自分を少しでも変えたいという思いもありました。

そして「私はマネージャーを兼任すると決断しました。」

慣れない事務作業、外部や学校の方との連絡など普段の練習に加えてマネージャーが行っている仕事をやり始めました。

その日々は今までとは違う生活で刺激的でしたが、とても大変でした。

マネージャーの仕事は全てが慣れないもので、たくさん失敗をしました。

その度に先輩から怒られることが多く、次は上手くやろうと努力はしました。

しかし、私は要領が悪く、また失敗を繰り返していました。

それでも自分を変えるため、成長のため、チームのためにマネージャーの仕事と選手を兼任し続けました。

そして8ヶ月が経った2回生の1月にもう一度同期が集められました。

話の内容は、「私に主務を任せられるかどうか」ということでした。

本来、このような話し合いが行われるはずはありません。

しかし、私の度重なる失敗を見ていた先輩たちは、回生ミーティングをするように言いました。

この話し合いは何度も行われ、当時の主将、マネージャー陣の先輩方も参加してくださいました。

そして、この話し合いの結果は

「大真には主務を任せられない」

というものでした。

理由は、今までの失敗の多さと内容から、主務を任せることはできないからでした。

「私はなぜこの部活にいるんだろう。」

選手としてもマネージャーとしても貢献できない自分に価値なんてあるのだろうか。」

と考えるようになりました。

そして、私は「自分がラグビー部に所属している意味を完全に失ったと感じました。」

悪い考えが頭をぐるぐると回り、ひとりで長い間、考え込んでいました。

この時私はラグビー部を辞めようと決意しました。

しかし、そんな私を同期やマネージャーの先輩方が、引き留めてくださり、今でもこのラグビー部に所属しています。

私はあの時引き留めてくれたことに今でも感謝しています。

私が日々の仕事に負担を感じることなく、ラグビーを続けているのは英理乃やマネージャーの後輩たちのおかげです。

こうして、私は色々な人から支えられながら今でもラグビー部に所属しています。

選手は競走し合いながら、チームを成長させ、学生スタッフは何十倍も努力し、チームのためを思って普段の仕事をしています。

これは私が選手とマネージャーの両方を経験していなければ、2つの立場での努力や色々な人からの大きな支えを感じることができなかったと思います。

そして、さらに気づいたことがあります。

それは「諦めない大切さ」です。

私は決してラグビーは上手くありません。

身体も強くなければ、体力があるわけでも、足が速いわけでもありません。

しかし、一度決めたことに対する執念だけは人一倍あると思っています。

例を出せば、今でもやっているラグビーも好きだからという理由でどんなに嫌なことがあっても辞めることはありませんでした。

そんな私にぴったりな言葉がこの「雑草魂」です。

決して華やかに咲くことはできない。

生きる場所を選ばず、目立たず「雑草」と呼ばれる。

そんな、雑草の「生きるという執念」に私は近いものを感じました。

人生で逃げることは負けではありません。

しかし、逃げてばかりでは何も得ることができません。

だから、心が折れてしまっても粘り強く、コンクリートを押しのけるように、あと一歩踏ん張ってみることも必要だと思います。

私は決して何かを成し遂げた人ではありません。

人前で自分の想いを語れるほど大それた人間でもありません。

そんな私の言葉でもこうして聞いてもらえて、「あいつ少し変なこと語っていたな」と思われるだけでもありがたい限りです。

最後のシーズンも目標達成のために自分のできることでチームに貢献していきたいと思います。

今後とも、立命館大学体育会ラグビー部の応援をよろしくお願い致します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

佐藤大真